「世の中には二つのルールがある。金持ちが使っているルールと、残りの95パーセントの人が使っているもう一つのルールだ。家庭や学校で教えられているのは、この95パーセントが使っているルールだ。」(ロバート・キヨサキ)
ロバートの原稿をまとめたシャロン・レクターは、前者を「ひたすら安全のみを求める道」、後者を「『お金に関する才能』を目覚めさせる道」と要約している。
ロバート・キヨサキは、ビジネス経営をしながらハワイ一の富豪になった親友の父親(rich dad)と、 高い教養を持ちながらもお金に苦労した実の父親(poor dad)から、お金に対するアドバイスを得ながら育った。
二人のアドバイスは対極にあった。例えば、
「金持ちはお金に困っている人を援けるためにもっと税金を払うべきだ。」vs.「税金は生産する者を罰し、生産しないものに褒美をやるためのものだ。」
「一生懸命勉強しろ、そうすればいい会社に入れるから。」vs.「一生懸命勉強しろ、そうすればいい会社を買うことができるから。」
「この家は私たちにとって最大の投資であり、最大の資産だ。」vs.「この家は負債だ。持ち家が自分にとって最大の投資だという人は大いに問題がある。」
という具合だ。ロバートはそのギャップの大きさに当惑しながら、自分の取るべき道を模索していった。
アメリカの金持ちはどんどん富を積ね、貧富の差が拡大していった。学校ではお金のことを教えてくれなかった。ロバートは二人の父親のお金に対する考え方のギャップの挟間で、悩んだ。彼の行きついたところは、金持ち父さんのアドバイスだった。彼はお金を自分のために働かせるように努力した。金持ちのルールを使って47歳で退職した。
ロバートは私たちがファイナンシャル・インテリジェンスFinancial Intelligence(お金に関する知識)をしっかり学ぶ必要性を説く。この本の中には、それを会得するメソッドがぎっしり詰まっている。
お金の教育は、学校ではなく家庭で行われる。95%の家庭は、昔からのお金のルールを子どもたちに教えている。金持ちになるには、5%(もう一つ)のルールを学ぶ必要がある。家の食卓を囲んで子どもたちとお金や税金について話そう。ルールは若い時に知れば成功率が高い。しかし、年齢に関係なく、金持ちのルールを会得することはできる。
ルールを知らずに、プレーはできない。
千津子