チコのブック・レビュー 『親日派のための弁明』金 完燮キム・ワンソプ(2002)

「『親日派』のための弁明」 金 完燮キム・ワンソプ Kim Wan-seop

「『親日派』のための弁明」 金 完燮キム・ワンソプ Kim Wan-seop

某戦後70周年ビデオにこの本が紹介されていましたので、今回取り上げました。

読後感 - よく韓国で出版できましたね。

「青少年有害図書」に指定された - さもありなん。

韓国政府が日本について言っていることと、ほぼ正反対のことで埋め尽くされた本だ。少し引用すると

  • 日本は19世紀中頃….西欧の産業化のレベルに追いつき、それも上層部に合流できた。….アジアの発展に多大な貢献をした。
  • 総督府は李王朝より一歩進んだ統治者だった。
  • 白人の中に韓国や中国を無視する人々は多いけれど、日本を無視する人を探すのは難しい。

また、韓国についても、痛烈な批判をしている。

  • 歴史を歪曲しているのは日本でなく韓国だと思う。これは、国際社会の一般的な見方でもある。
  • 政治家、学者、大学教授、作家を問わず….何としてでも親日派に分類されまいともがく。
  • 韓国政府は、近代的な王朝時代の視点をもって日本を非難する姿勢を捨てるべきだ。
  • カミカゼの後裔である(元首相)小泉氏が….靖国神社を参拝するのはごく自然だ….隣国としてこれに抗議して非難するのは見苦しい。
  • いったい韓国は太平洋戦争で日本と戦争でもしたというのだろうか?当時韓国は日本であったし、朝鮮人はだれでも日本軍として参戦したのだから、正しくいえば敗戦国により近いのだ。

著者は序文で「こんにちの日韓関係は、アメリカの意図によってつくられた構図」ではないかと述べている。「アメリカは日本を再興させてはならないという意思をもって、韓国において強力な反日洗脳教育をおこなう…その基本になったのが、歪曲された、間違った歴史認識です。」面白い視点だと思う。日本は、漸く自虐史観から抜け出そうとしているように思われる。韓国もそろそろ「反日」路線を乗り換えてほしいものだ。

19世紀から日韓併合までの朝鮮半島の動きを詳細に考察している部分は、興味深く、日韓併合に辿り着くまでの状況を理解する上で非常に役立つ。また、日韓、豪州を含めたアジア諸国の取るべき道を提案し、その過程で、韓国が中心的役割を果たすべきだと主張している。

ここまで拗れた日韓関係。いくらお人よしの日本も、堪忍袋の緒が切れた感がある。「韓国側が90%受け入れない限り、日韓の共生関係は、それこそ、『木に登って魚を探す』ぐらい実現不可能な夢に違いない。」と著者は言う。北も南もない、朝鮮半島には一つの国しかないように見える昨今。韓国歩み寄りの可能性は限りなくゼロに近く見える。金氏は、親日的著作で何度も起訴されたり、罰金刑を受けたり、暴行まで加えられた。だが、彼は『弁明』シリーズ2も出版し、活動を続けている。そこに一条の光を見る。

千津子

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